2019年秋の第3回「三井ゴールデン匠賞」募集開始に向けて、1月29日にaeru meguro(東京都品川区)で募集説明会とトークショーを開催し、ゲストに第2回グランプリ受賞者、輪島塗・輪島キリモトの桐本泰一氏とご子息の桐本滉平氏をお迎えしました。
第1回、第2回と審査員を務められた矢島里佳氏(和える 代表取締役)による三井ゴールデン匠賞の応募についての説明を一部ご紹介いたします。
矢島
三井ゴールデン匠賞の審査会で最も重要視されるのは貢献度です。ご自身のことだけではなく、産地や伝統工芸の産業全体のことを考えた取り組みや活動が評価されます。
「匠賞」と銘打たれていますが、一般的な匠のイメージであるベテランの職人さんだけが対象ではなく、これまでにも40代の方が3名受賞されています。まだ20代、30代の受賞者はいらっしゃいませんが、例えば、その年代の方でも同世代の方に伝統工芸に関心を持ってもらうために活動されている方はいらっしゃると思うので、そういった方々にも是非ご応募いただきたいです。
応募用紙には皆さまが取り組まれていることを全部書いてください。審査会で応募者について独自に調べることはありません。応募用紙に書かれていることが全てです。皆さまにとっては当り前の事でも伝統工芸の業界全体にとってみると大変重要な取り組みだということもあります。
皆さまのご応募をお待ちしております。
トークショーでは桐本泰一氏と滉平氏にそれぞれ三井ゴールデン匠賞に対する想いや今後のあり方などについてお話いただきました。
桐本泰一 | 三井ゴールデン匠賞は私のような伝統工芸の工房の経営者も応募できる珍しい賞です。第1回目に応募した時は落選したのですが、その後、今日と同じような説明会が2017年に京都で開催されたので、それに出席するためだけに京都に行ったのを思い出します。その時は第1回受賞者の杉原吉直さんと矢島さんのトークだったのですが、越前和紙問屋の杉原さんの活動や取り組みについてのお話が大変わかりやすく、2回目に応募する時にとても参考になりました。第2回の時は何度も何度も書き直し、周りの人にも相談しながら出来るかぎり自分たちの取り組みがわかりやすく伝わるように書いていきました。 グランプリを受賞したことによって産地や業界での自分の立ち位置について改めて考えるきっかけになりましたし、なによりモチベーションの維持につながっています。地元の石川県輪島市で受賞の報告をかねて市長を表敬訪問したところ大変喜んでいただきました。もっとこの賞の独自性を地元でもアピールしていければと思っています。 また、受賞者やファイナリストの方々との交流が今後さらに活発になれば、そこから新しいコラボレーションなども生まれてくる可能性が三井ゴールデン匠賞には潜んでいると思います。 |
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桐本滉平 | 父が三井ゴールデン匠賞のグランプリを受賞したことは私にとっても大きな出来事でした。パリで1年間インターンシップをして帰国し、これからどのような取り組みをしていこうか考えていたタイミングで父が受賞しましたので、その後の新しい活動を始める原動力にもなりました。 三井グループの企業の方々が三井ゴールデン匠賞を通して伝統工芸に関わる人たちを応援してくださっていることは伝統工芸の業界にとってだけではなく世間一般へのインパクトを考えても大きなことだと思います。父が受賞してニュースになった時は同級生たちから連絡がきました(笑)。 今後は父や周りの方々と議論を重ねながら伝統工芸に対する日本人の意識を変えていくような取り組みにもチャレンジして、いつかそういった事を発表したいと思った時には三井ゴールデン匠賞に応募できたらいいなと思っています。 |
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第3回三井ゴールデン匠賞は2019年秋から募集開始予定です。
伝統工芸に携わるたくさんの方の応募をお待ちしています。
【募集予告トークイベント】 | ||
日時 | 2019年1月29日(火)19時00分~ | |
会場 | "0から6歳の伝統ブランドaeru"東京直営店「aeru meguro」 https://a-eru.co.jp/meguro/access/ 東京都品川区上大崎3-10-50シード花房山S+105 |
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内容 | 第3回「三井ゴールデン匠賞」募集説明会 桐本泰一氏×桐本滉平氏×矢島里佳氏によるトークショー |