第3回三井ゴールデン匠賞 グランプリ
秋山 眞和綾の手紬染織工房宮崎手紬(綾の手紬)/宮崎県綾町
応募タイトル
原種養蚕から一貫した手仕事による染織物を製作
1941年那覇市生まれ。戦争での疎開後、宮崎で琉球織物の復興に携わる。
1966年綾の手紬染織工房を創設。原種小石丸の養蚕から藍染めや貝紫染め等の天然染色、琉球由来の絣や花織を用いた織物づくりを一貫して手仕事で行う。
国の「現代の名工」に指定された技術・哲学を後世に伝えるべく後継者育成にも取り組む。黄綬褒章受章。
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日本原産種の蚕「小石丸」からとった座繰り糸を、膨大な数の巻貝から抽出した貝紫の染料を還元建て染めの技法を用いて染め、これを経緯両方に用いて織り上げた秋山眞和氏の取り組みの結実であるストール。
第3回三井ゴールデン匠賞 モストポピュラー賞
タヤマスタジオ株式会社代表:田山貴紘※団体として応募南部鉄器/岩手県盛岡市
応募タイトル
修業の在りかたをアップデート。人材育成と伝統の継承
2013年設立。国内外への南部鉄瓶の販売、南部鉄瓶のアップデートに取り組む。2017年、丁寧を育む鉄瓶ブランド「kanakeno」をリリース。同ブランドでは市民と学ぶ講座「てつびんの学校」、新しい鉄瓶ショールーム「engawa」、持続可能な若手職人育成の仕組み「あかいりんごプロジェクト」などを実施。
若い職人の育成のために作業工程を調整し、デザイン性も見直した商品づくりという点に感銘を受けました。伝統の継承とデザイン性の2つの利点が叶えられている商品と知り、非常に好感を持ちました。
”黒色”を思い浮かべる南部鉄器が、赤色という”期待”を裏切る色が印象的。”りんご”というネーミングも斬新で親しみが持てる。デザイン性が高く、生活空間や道具に拘りを持つ消費者に選ばれると期待される製品だと思う。
【あかいりんご】
国内向けに企画した「kanakeno」シリーズ。模様付けなど難易度の高い技術を必要としないデザインを採用。ツルが可動式のため収納場所を選ばず、従来の製品に比べ軽い。販路を独自に開拓し若年層にも鉄瓶をPRした。
平安時代から千年続く和紙産地山梨県市川三郷で代々和紙業に携わり1974年(株)大直と法人化。社名の「おおなお」は書院紙の最高級品「大直紙」に由来。地場産品の障子紙事業、和紙工芸品「めでたや」事業、デザイナー深澤直人氏との共同開発和紙製品「SIWA」事業等を行う。2017年「はばたけ中小企業・小規模事業者300社」選定。
【SIWA|紙和】【めでたや 額飾り 十二支】
クラフト商品「めでたや」の十二支額。破れない和紙「ナオロン」にしわを施し風合いを持たせた「SIWA」。縫製が可能で、バッグ、スリッパ、帽子、ポーチ、名刺ケースなどさまざまな日用品に展開、国内外で人気となった。
1909年(明治42年)創業。漆を精製・販売する素材屋。伝統的な精製方法の他、より耐候性に優れた高分散漆「光琳」を研究開発。国宝・重要文化財修復をはじめ、漆芸分野にて幅広く使用されている。2016年からは漆を次世代に繋ぐプロジェクト「うるしのいっぽ」を開始。「漆×SURF」「漆×SKATE」「漆×BMX」等、漆の新たな価値観も提案する。
《URUSHI x SKATE》
東京五輪新種目で若者に人気のあるスケートボードに漆塗り・蒔絵を施したスペシャルモデル。普段乗っているボードにも漆を塗り、経年変化による漆特有の透け感や傷など、使い込む事で生まれる風合いやオリジナリティも漆の魅力として提案している。(光琳使用)
1942年 新潟県三条市出身。
1961年 三条製作所入社。
2014年 伝統工芸士の認定を受ける。
2018年 ジャパンハウス・ロンドンで開催された「燕三条 工場の祭典」の世界観を基軸とした企画展では和剃刀が展示され、他の職人とともに出演した刃物職人トークでは150人を超える参加者があり注目を集めた。
【和剃刀(日本剃刀)】
世界一の刃物といわれる日本刀の素材「玉鋼」を使用。材料を適当な長さに切断するところから仕上げの研ぎまでの全工程を一貫して行い、研ぎすまされた刃は髪の毛に軽くあてるだけですっと落ちるほどの切れ味。