11月25日~27日の期間、サンドーム福井(福井県越前市)にて「KOUGEI EXPO 第33回伝統的工芸品月間全国大会福井大会」が開催され、第1回三井ゴールデン匠賞受賞者の作品を出展しました。同時に実施したシンポジウムでは伝統工芸の革新性について活発な議論が交わされました。
伝統的工芸品月間全国大会は、経済産業省が伝統的工芸品の魅力をより積極的に国内外へ発信するために全国各地で行う普及啓発事業の中心的な催事です。今年は福井県で「幸福の国『ふくい』から伝える匠の技」をキャッチフレーズに、「KOUGEI EXPO」として全国から集まった伝統的工芸品の展示・販売・製作実演・ワークショップ等が開催され、3日間で過去最高の約7万人に及ぶ入場者で賑わいました。
三井広報委員会 戸沢由香(三越伊勢丹ホールディングス)による三井ゴールデン匠賞の紹介
三井広報委員会では、第1回三井ゴールデン匠賞受賞者5名の作品を展示すると同時に、初日の25日に「第1回三井ゴールデン匠賞受賞者によるシンポジウム」を開催。三井ゴールデン匠賞を設立した目的や第1回開催時の審査概要、三井広報委員会としての活動内容などをご紹介した後、受賞した5人の匠をパネラーとしてお招きし、受賞の感想や伝統工芸に対する思いなどについてお話しいただきました。
第1回三井ゴールデン匠賞受賞者によるパネルディスカッション
壇上では、審査員を務められた株式会社和えるの矢島里佳氏をモデレーターに、審査基準の中で最も重視された「伝統工芸における革新性」についてそれぞれの立場からの意見が展開されました。
伝統工芸は「伝統と革新が両輪となって未来に継続していく」との指摘や、「革新性を起こす土壌を作りたい」、「日本が持つ最高の技術を世界に伝える力が必要」、「職人としての当事者視点だけでなく、第三者としての視点を持つことが重要」といった示唆に富んだ議論が行われ、集まった参加者は熱心に聴き入っていました。
会場からも「伝統工芸におけるグローバル化と革新性の関係について」といった熱心な質問が投げかけられ、受賞者からは「いろいろな国や地域の人々が集まると、思いもよらないアイデアが生まれる」など自らの経験を踏まえた具体的な答えが挙げられていました。最後は更なる飛躍に向けて今後のビジョンが熱く語られ、盛況のうちに終了しました。
3日間の会期中に展示された第1回受賞者の作品も、伝統的工芸品の各産地関係者や、多数の一般の来場者にご覧いただきました。中には三井ゴールデン匠賞受賞者の作品展示を目的に来場される方もいらっしゃり、引き込まれるように作品に見入る姿が印象的でした。